読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

都道府県連合パズル・ゲーム研究室

パズルやゲームに関する研究結果をアップしていく予定です。

ナショナルエコノミーソロ(理論値パズル)解説2【手数効率について】

ナショナルエコノミー

前回の感想で「手数効率の考えづらさ」について挙げましたが、本稿ではこの部分の考え方について少し掘り下げてみます。

ナショナルエコノミーでは、直接の価値(お金や得点)を生まないドローがゲームを通して主要アクションとして存在するため、手数効率を考える上では実際に価値を生む手(資金調達行動や建設)までを含めた複数の手を考える必要があります。

増員を検討するときには常に「増えた手数がどのくらいの価値を生むか」が判断基準になるので、手数効率を正しく捉えることは重要です。得る価値よりも失う価値のほうが多ければ、手数を増やしてもかえって損になってしまうからです。


以下、資金調達行動と建設それぞれの場合において、1手あたりの価値がどれくらいになるのかを見ていきます。これはドロー効率によっても変わってくるので、ドローにかける手の平均ドロー数別に表にしてみました。例えば3ドローであれば、1ドローあたり3分の1手かかっていると考えて、1手あたりの価値を計算しています。ちなみに実用上は平均ドロー数ではなく、増員で増えた手によってできるドロー数に応じてその価値を判断するという見方になると思われます。


資金調達行動

職場1ドロー2ドロー3ドロー4ドロー
露店 3.0 4.0 4.5 4.8
市場 4.0 6.0 7.2 8.0
スーパーマーケット 4.5 7.2 9.0 10.3
百貨店 4.8 8.0 10.3 12.0
万博 5.0 8.6 11.3 13.3
珈琲店 5.0 5.0 5.0 5.0
レストラン 7.5 10.0 11.3 12.0

※ 価値の単位は[$=点]


② 建設

得点効率の良い工場(2コスト)と製鉄所(4コスト)の場合を表にします。得点は鉄道と不動産屋×2のボーナスを含めた値です。二胡市建設では同じ建物を2つ作るものとします。建設会社とゼネコンは模範解答では登場しませんが、便宜上入れました。


工場

職場1ドロー2ドロー3ドロー4ドロー
大工 6.5 10.4 13.0 14.9
建設会社 8.7 13.0 15.6 17.3
ゼネコン 13.0 17.3 19.5 20.8
二胡市建設 10.4 17.3 22.3 26.0


製鉄所

職場1ドロー2ドロー3ドロー4ドロー
大工 5.7 9.7 12.8 15.1
建設会社 6.8 11.3 14.6 17.0
ゼネコン 8.5 13.6 17.0 19.4
二胡市建設 9.7 17.0 22.7 27.2


※ 価値の単位は[点]


ボーナス点系の建物はさらに高得点になりますが、これらは模範解答でも余裕を持って建てきれているため選択肢から外しました。増やした手によって継続的に生み出される価値を見るのが主目的だからです。

 

こうして見てみると、労働者に支払う賃金の額は最高でも$5ですから、概ね2ドロー以上ができれば増員したほうが得であることがわかります。たとえ1ドローしかできなくても、レストランや二胡市建設などの有効アクションが残っていればまだ得です。

ちなみに模範解答では平均3.5ドローなので、増員のメリットはとてつもなく大きいです。実際、余剰手で工場や製鉄所を建てるだけでも、1手20点くらいになりますから。

実際には建物の売却による損得や公共職場への入りやすさなども絡むので計算通りにいかないこともありますが、そこはうまい立ち回り方を探して打開を目指すのが、最適化パズルへの正しいアプローチだと思っています。


上で挙げたデータは、理論値パズルではない実際のソロゲームでもある程度応用可能だと思います。② の建設に関しては、カード点やボーナス点を状況に応じて修正した値で見る必要がありますが。

さすがに多人数戦では、家計の奪い合いが発生するのでその上で・・の話になるでしょうね。ちゃんと計算したわけではないですが、これに敗れて建物を売却することになるくらいなら、増員しないほうがよい場面も多々ありそうです。

 

余談ですが、模範解答における増員優先の状況は、ナショナルエコノミーのコンセプト的には「初めは無理してでも人を育てたほうが後々の利益につながる」ということになりますでしょうか。現実世界の会社でも、人を育てるのを怠ったために、業務が忙しくなったときにそれで手一杯になって人を育てる余裕がなく、さらに業務が回らなくなる・・・という悪循環は、結構あるように思います。