都道府県連合パズル・ゲーム研究室

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ブラス:バーミンガム(白ブラス)の戦略論2【産業】

白ブラスの産業別の考察です。

(1) 鉄
(2) 石炭
(3) 酒
(4) 紡績
(5) 木箱
(6) ツボ


初めに補足ですが、筆者は本記事を書いている時点で4人戦しかプレイしたことがないため、専ら4人戦向けの考察になりますことをご容赦ください。白ブラスでは少人数になるほど1人あたりの手数が増えるので、特に売却に関しては緩くなり、より強力な手が運河の時代中に間に合うようになると思われます。

  
(1) 鉄

・収入は少なめだが、高得点が得られる。主軸にすると強い印象。

・Ⅰの鉄は鉄道の時代まで残らず3点のみだから、開発して計10点になるⅡの鉄から建て始めるのがよい。もしくは収入要因と割りきって建て替えて加速する。

・特化するならⅣまで建てたいが、運河の時代に無理してⅣを目指すよりも、いったんⅢで止めておいて鉄道の時代に向けて酒などの準備をしたほうが強い印象がある。

・鉄だけだと収入が増えづらいので、適度に石炭を絡ませたい。

・酒と両立できると強いが、カードがほとんど被らないのでそこは引き運次第。

・鉄建設は人気が高く競合しやすいので、狙っている人が多そうなら諦めも肝心。Ⅳを目指している場合、鉄道の時代に入ったら常に建設候補地を意識し、ライバルに先を越されないように注意する。

・市場の鉄が切れてしまうと、最悪Ⅲの鉄を建て替えられる悲劇が起こる。滅多にないが、鉄が辛い場では注意が必要。見ておくべきは「Ⅰの鉄の建設数,開発モチベの高さ,他の建設物で埋まっている鉄スペースの存在」。特にコールブルックデールは、序盤にアクセスされなければ酒で埋まることも多い。

・Ⅰの鉄を建てると、鉄の供給量が増えるのでその分鉄は安くなる。Ⅰの鉄はいざとなれば建て替えてもデメリットは少ないから、鉄をたくさん使う戦術を目指しているときはあえて建てて鉄の安い場を作り出すのも有り。ただし市場に鉄を送り込めなかったり、利が少ないようであれば流れに逆らってまで建てる必要はないと思う。

  
(2) 石炭

・鉄とは逆で、得点は低いが収入は多い。

・運河の時代の序盤にⅡの石炭を裏返せると、収入が大幅に増えて強い。

・鉄道の時代の序盤にも、お金のやり繰りが苦しいときは鉄道を敷くよりも有効。鉄道の時代に入ってからは、直ちに裏返せる場面で建てるのがほぼセオリー。

・展開にもよるが、鉄道の時代では直ちに裏返せても石炭が安くなりすぎてしまうと、相対的に他のプレイヤーが高得点の鉄道敷設を行ないやすくなるのであまりおいしくない。市場の石炭の価格は2~4金くらいの相場で推移するのが適切な印象。

・ゲーム終盤になるにしたがって収入増のメリットが薄くなり弱くなるが、Ⅲの石炭は3点、Ⅳの石炭は4点あるので、既においしい鉄道スペースが残っていない場合は、鉄道を敷くよりも高得点になる場合もある。

・戦術の核というよりは、補助的に収入を得るための手段として利用するイメージの産業。

  
(3) 酒

・得点も収入も高く、優秀な産業。

・特に鉄道の時代に入ると、それ自体高得点プレイの鉄道敷設をしながらダイレクトに裏返せるのが強い。

・鉄道の時代になると建設時に酒が2個載るので、1個しか載らない運河の時代に建設しておいて、より裏返されやすい状態で鉄道の時代に突入するのが有効。そもそも、鉄道の時代の手はなるべく高得点の鉄道敷設に使いたいので、その意味でもより有効手の少ない運河の時代に酒を建設しておくのがよい。

・売却に酒を使う場合も、それはそれで強い。運河の時代の終わりに1回まとめて売却するだけで、収入も得点も結構増える。

・酒に特化する場合、運河の時代にⅢまで建てて売却で裏返せると、7点入るので強い。ただし、そのためにお金の使用が増えて鉄道の時代開始時の手番順が悪くなると、不利になるので注意。その場合は、無理せずⅡの5点で諦めたほうがよい。

・Ⅰの酒は4点にしかならないから、開発して計10点になるⅡの酒から建て始めるのがよい。ただし、紡績戦術の際のキダーミンスターとウスターの間の専用地など、鉄道の時代に再利用したいスペースにはⅠの酒を使用する。

・Ⅱの酒も、酒の辛そうな場なら開発してⅢとⅣの建てきりを狙うのも有り。(計7点相当になる。)ただし、見誤って酒スペースに余裕があると、鉄道の時代に建てる酒がなくなってしまうので注意。お金に余裕がある場合は、鉄道敷設のペースが遅くなることで大幅な得点減少につながってしまう。

  
(4) 紡績

・競合がいない状況で特化できれば、常にそれなりの強さを発揮する。

・売却先が北部に偏っている場合は特化が難しいが、このケースは少ない。(バーミンガム、ウスター、コールブルックデールのどこかの先に売却できればよい。)

・紡績だけでは得点が足りないので、鉄か酒のどちらかとは両立したい。(Ⅳまで建てたい)

・基本的にキダーミンスターとウスターが主戦場で、北部はサブのイメージ。南部の紡績売却地に運河をつないでコントロールする。(他の人が敷いてくれれば任せる。)流れによっては、運河の時代から北部への売却も視野に入れる。

・Ⅰは序盤の収入のために1つだけ建てるか、3つとも全部開発する。

・Ⅱは運河の時代に2つ建てて売却する。隣接得点が高いので、鉄道の時代に入ってからもそれを意識して動く。キダーミンスターとウスターを押さえた上で、その間から売却地までを自分の鉄道で固められればベスト。

・Ⅲは残りの建設数を考慮しつつ、必要なら適量開発する。

・Ⅳはできれば3つとも建てたい。

・競合がいる場合は、建設スペースに限りがあるのでⅣは目指さず、他の手段で得点を稼ぐことを考えたほうがよい。

  
(5) 木箱

・製品(売却対象)の中では一番安価で、手を出しやすい。

・建てやすさ故に競合しやすく、複数人が参入してると建設スペースが足りなくなって高レベルへのアクセスが難しくなる。

・高レベルを目指したとしても、紡績と比べて得点が低く特化するメリットは低め。

・全体的に紡績よりも収入は増えるが、収入面のメリットを得ようとすると限られた手数の中で序盤から効率的に建設を進めていく必要があるので、戦術の難易度は高め。その場合適宜開発しながら、運河の時代中にⅣまでは建てたい。Ⅵまで行けると収入も得点も増えるが、酒の準備も考えるとかなりハードルは高いと思う。

・紡績と比べても隣接得点が弱いので、運河敷設の手を節約し、他人の運河を利用して売却する流れに持っていけると有効。木箱は鉄の建設スペースが一緒にある都市が多いので、鉄戦術の人とは共闘関係にあると思う。

・レベルが8まであり、種類の多さによって多様な戦術を取れる点も木箱固有の特徴だと思う。以下、レベル別の考察。

Ⅰ:ほぼ序盤の収入要因。建てる場合はなるべく早めに売却したい。木箱の中では珍しく隣接得点が高いので、これだけ建てて周囲を自分の運河で固め、鉄や石炭中心で進める戦術も有り。

Ⅱ:収入はほとんど増えないが、5点(運河の時代に建設すれば10点)入るので手軽な得点要因として優秀。特化までせず軽めの参入に留めるなら、Ⅱまで建てて収めるのは悪くない。開発に手をかけずにアクセスできるので、運河の時代から酒と絡めて売却で稼ぐときにも重宝する。また、建設に石炭が不要なので、運河がつながってない新たな場所に飛び込んで起点にすることもできる。このように用途が豊富で使い勝手がよい。特化を狙うなら開発で葬ってもよい。

Ⅲ:酒が要らないのが特徴だが、運河の時代は酒と絡めて収入や得点を稼ぎたいところなので少々微妙。売却前に1手余れば建設する余地はあるが、価格も12金と高めなのでそういった展開にはなりづらい。石炭が2つ要るので、建てるなら自分の石炭使用と合わせて計画したいところだが、隣接得点が無くできれば他人の運河領域に建てたい点も噛み合っていない。1枚のⅡと合わせて開発してしまってもよいと思う。

Ⅳ:8金と安い上に、収入が6マスも増えるのでかなり優秀。運河の時代中に建てられるとおいしい。Ⅱを2つ建てる場合と、1回開発してⅡ1つとⅣを建てる場合の比較は難しいが、Ⅳを狙うならなるべく早めがよいと思う。前半にⅣまで行ければ、特化の選択肢も残る。Ⅱと同様に石炭不要なので、新しい場所の起点にもなる。

Ⅴ:酒2つが重すぎて、有効に使える場面は少ない・・と思う。私は開発しかしたことない。一応得点は8点と高め。

Ⅵ:収入も得点も高くて強いが、20金かかるし運河の時代中に建てるのはハードルが高い。特化するならなるべく早めに売却したいところだが、鉄道の時代に入ると鉄道敷設などの高得点行動がたくさん生まれるから兼ね合いが難しい。

Ⅶ:特化するなら狙いたいが、Ⅷも一緒に売却しないと得点効率が悪いから、建設スペース不足でⅧまで行けそうにない場合は諦めも肝心。お酒は要らないので、建てておけば最終手で必ず売却できる。

Ⅷ:特化するなら、2枚建てての売却完遂を狙いたい。カノック先かキダーミンスターとウスターの間の独占酒スペースを押さえるのが理想だが、最悪自分の酒を建て替えれば売却できるので無理はしなくてよい。最終ラウンドに酒を造ってまとめて売却する。

  
(6) ツボ

・高価で重いが、高得点を得られる産業。Ⅴの20点は魅力的。

・ⅢとⅤの売却に酒2つ必要なため、特化の難易度は相当高い。特に熟練者が多いと運河の時代から酒スペースが埋まっていくので、鉄道の時代の中盤頃にはもう酒は残らず、独占酒スペースを確保してない限り売却に酒の建て替えが必要になる。

・特化するなら、酒の安い運河の時代中にⅢまでを建てないと厳しい。そして、鉄道の時代ではツボ建設スペースが埋まらないように気をつけながら適当なタイミングでⅤを建て、最終ラウンドで酒を造って売却する。

・カノック先やキダーミンスターとウスターの間の独占酒スペースを無理に押さえる必要がないのは、木箱特化時と同様。

・ⅡとⅣは通常は開発するが、手数が変わらなければⅤ建設の場所確保のために先にⅣを建てておくのは有効。その場合、売却直前(正確には酒準備の前)にⅣを建て替えてⅤにする。Ⅳの建設にはお金がかからないから、そうすることで大金が必要になるタイミングを遅らせ、先に鉄道敷設など他の得点行動に投じられる効果がある。

・建てきったときの強さは、紡績と木箱の間くらいの印象。(紡績ほど得点は伸びないが、木箱よりは伸びる。あくまで印象。)

・ツボはⅠでも十分高得点(10点)なので、特化しなくても鉄道の時代の終盤にⅠを建てるだけで有効。売却先に3~4点付いている場合、建設して即売却の2手で13~14点になるので、6点以上見込める鉄道スペースが埋まりかつ2本同時敷きのための酒も枯渇したなら、優先的に行って問題ない。

 

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