都道府県連合パズル・ゲーム研究室

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グレートウエスタントレイル:戦術紹介5【職人特化】

戦術紹介の最後は「職人特化」。これは、10aと4aがあるときに限った少々特殊な戦術です。一言で言うと、10aと4aによる移動効果を利用して1~2ターンに1回のペースで出荷を繰り返し、高速でゲームを終わらせる戦術になります。

大抵の状況では、職人のみで勝つのは困難です。建物点こそ入りますが、仮に強い建物をたくさん使えたとしても、カウボーイも技師も雇わないのではそれ以上の得点の上乗せ効果は限られているからです。私有建物の中にはカウボーイや技師の効果を活かせるものも多いですし、そもそも職人雇いから進めていった場合、一通り有効な建物を建て終えたあとの中盤にはお金も余ってくるため、自ずとカウボーイか技師のどちらかに手を伸ばして更なる発展を狙う流れになるかと思います。


そんな中で一つだけ考えられる例外が、今回紹介する戦術です。まず鍵となる建物は10a。10aがあれば、デッキ圧縮さえすれば1~2枚の牛を買うだけで出荷の得点を重ねていくことができるため、このようなかたちを作れればカウボーイや技師の助けがなくても失速しません。

加えて4aも重要です。10aによる出荷の得点だけだと、先行逃げ切り型のカウボーイ特化戦術にそうそう追いつけないからです。4aがあれば手数を使わずに災害タイルの得点を加算でき、かろうじて戦える戦術になるという印象です。また4aによる2歩移動の効果も、少ない手数で出荷を繰り返すためには重要です。

さらに、災害タイルがボーナスになる駅長タイルを取れればなお良いです。技師を雇わないとそこまで列車は進められないため、職人中心で行く場合は基本一番手前の駅か、うまく他人の列車を飛び越えられそうなら2番目までが狙える限界かと思います。それ以上奥は技師を2人以上雇って(3人以上の体制にして)狙うことになり、これは「技師+職人」の記事でも紹介した通常の圧縮戦術における ① のパターンと同様です。(※1


大まかにはこのような条件、すなわち「10aと4aがあってなおかつ災害タイルがボーナスになる駅長タイルが手前にあるとき」にこの戦術は選択肢に入りますが、強さ的にはここまで厳しい条件をクリアしてようやく他の戦術と釣り合ってくるくらいのイメージなので、積極的に取り得る場面は少ないかもしれません。主にカウボーイ2人雇いも技師2人雇いも叶わなかったときの、下位番手の選択肢だと思います。

他に、カウボーイ側が有利になる2aや技師側が有利になる9a辺りがない事も重要でしょうか。この戦術は出荷と災害タイルの得点がメインでありそれ以外の影響はあまり受けないため、有効に使える私有建物が少なく一般的な戦術での拡大再生産や終盤の得点の一押しが困難な場のほうが、より活躍できると思われます。周囲の得点が低ければ、その分勝ち目も出てきます。


それでは、具体的に何をすればよいのかについて見ていきます。まずこの戦術は、初めに職人を雇った瞬間(あるいは雇わざるをえない流れが明白になったとき)に始まります。以前の記事でも述べたように10a環境で職人から入る手は分が悪く、他により良い選択肢がない場合が多いからです。

そしてやると決めたら、なるべく無駄なく一直線に構築を進めていく必要があります。場の展開に合わせて臨機応変に向かう先を変え得る他の戦術とは違い、この戦術では最終形が決まっています。それは、「1~2ターンに1回のペースで高価値の出荷を繰り返せる状態」です。より少ない手数でこの状態にたどりつけることが正義であり、途中経過で多少場の影響を受けることはあっても、効率性重視の原則は変わりません。


それまでにやらなければならない事は、大きく分けて以下の3つです。

① 10aと4aの建設
② 牛の購入
③ デッキ圧縮


この3つのバランスは大変重要です。10aと4aを建ててガンガン出荷できるようになっても、牛の購入とデッキ圧縮が進んでいなければ遠くの都市へディスクを置けなくなって失速してしまいますし、逆にデッキ構築に時間をかけすぎると、出荷を加速し始める頃にはゲーム終了が近くなっていて追いつけないということになります。

詳細は順を追って説明しますが、デッキ圧縮を完了してから10aを使い始めるのではまず間に合わないので、圧縮しながら出荷を繰り返すような手順を取るか、あるいは圧縮もそこそこに連続出荷態勢に入って押し切ることになるかと思います。


手順の流れの要約だけ先にざっと表すと、「列車を少し進め、少々の3牛を買いながら職人を雇って早期の10a&4a建設を目指す。そして、デッキ圧縮しながら10→12→14→…と、高価値の出荷を続けていく。」というかたちです。

では、①~③ それぞれのポイントについて解説していきます。分けたほうがわかりやすいと思いそのようにしましたが、タイミング的には同時進行のため、補完し合ってお読みいただければと思います。


① 10aと4aの建設

10aと4aは、この戦術の根幹です。以下に、代表的な建設手順をいくつか示します。(A,Bのあとのコロンを挟んだ数字は建設する建物の必要職人数。)

・AがBよりも手前にある場合(2回目の出荷後に10a建設)
B:1 → 出荷(1回目)→ A(職人+1~2人)→ B:2(4a建設)→ 出荷(2回目)→ A:5(ここで職人4人)→ B:9(10a建設)

・AがBよりも手前にある場合(3回目の出荷後に10a建設)
出荷(1回目)→ A(職人+1~2人)→ B:1 → 出荷(2回目)→ B:2(4a建設)→ 出荷(3回目)→ A:5(ここで職人4人)→ B:9(10a建設)

・BがAよりも手前にある場合
出荷(1回目)→ B:1 → A(職人+1~2人)→ 出荷(2回目)→ B:2(4a建設)→ A:5(ここで職人4人)→ 出荷(3回目)→ B:9(10a建設)


このように、共有建物AがBよりも手前にある場合は、10aの建設を最短の2回目の出荷後に行なう方法と、少しゆとりを持って3回目の出荷後に行なう方法があります。個人的な印象だと、前者の場合は並行して牛を買ったり列車を進めたりできないほどお金がギリギリになることが多いので、よほど金運が良くない限りは後者にしたほうが無難なように思います。10aを使える頃には少なくとも1枚の3牛は運用できるようになってないと、運に左右されず安定して高価値の出荷を続けていくのは困難だからです。ただし、前者の場合は速攻で職人が4人になるため、駅長タイルを取りやすいメリットはあるかもしれません。10a建設前に駅長タイルを取った場合も、次の出荷まで待って再度Aで職人を雇いその即時効果で10aを建てるという効率的なプレイも可能になります。


また、手順以外に建設場所も重要です。10aによる5歩移動と4aによる2歩移動の効果を利用して流れるように出荷することを考えると、効率の良い場所は限られてくるからです。実際、毎ターン出荷を目指すのか2ターンに1回でよいのかによって適した場所も変わるため、最初に必要職人数1の建物を建てる時点で既にそれは決めておく必要があります。

毎ターン出荷は、実現すれば出荷ペースが極限まで速まりますが、歩数的にかなりギリギリになることが予想されます。マップ上確実に実現できる建設場所はなく、他のプレイヤーが建設する建物の位置次第ということになります。正直、建物がたくさん建つことが必至な4人戦で狙うのはあまりお勧めしません。3人戦でも対戦相手がうまく建物の位置を選べば妨害は可能なため、狙うにせよBプランとして出荷に2手かかる状況になったときの立ち回り方を考えておくことが賢明だと思います。また仮に成功しても、最後のサンフランシスコレベルの出荷までスムーズに行くかは手札運次第のところがあり、途中で手札の入れ替えが必要になったり、運が悪ければ終盤の出荷がまったく得点にならずに失速してしまうリスクもあります。

その点、初めから2ターンに1回出荷の前提で計画するのはより安全な策と言えます。インフレ場になると勝つのは困難でしょうが、対戦相手の行動や運による影響を心配する必要はあまりありません。最も安定なのは、出荷と交互に共有建物Gを踏み、手札を2枚廃棄しながら出荷を繰り返していく戦法です。こうすると、価値10の都市への出荷から始めたとして12→14→16→18と、5回出荷するうちに10枚の手札を廃棄することができます。一方、デッキの完成までに色違いの2牛3枚以外をすべて廃棄したいと考えると、廃棄する牛は11枚です。これは、11-10でたった1枚の牛を廃棄しただけで高速出荷態勢に入っても押し切れる継戦力があることを意味します。もちろん、3牛や4牛を適当数入れておくことは必要であり、事前に少しはデッキ圧縮を進めておいたほうが出荷途上での手札事故が起こりにくくなる側面はありますけれども。

そしてこの戦法を取ろうとする場合、Gの位置情報は重要です。詳細は割愛しますが、共有建物Gが「B,C,E,F」の位置にあるときは計画は容易であり、「A,D,G」の位置にあるときは妨害を受けるリスクが高いです。要は、うまい位置に10aと4aを建てることで、他のプレイヤーの建物が増えてきたあとでも出荷とGを交互に踏むことができるかどうかということです。この点も、職人特化戦術へ向かうべきかの判断材料にするとよいのではないかと思います。なお、位置が「A,G」のときに頑張ろうとした場合はほぼ毎ターン出荷を狙うのと同じ計画になり、デッキ圧縮完了後に毎ターン出荷が叶うようであればさらに有利です。(すなわち、最もうまくいったときの最大値は高い状態。)


② 牛の購入

牛の購入はそこまで急ぐ必要はありませんが、早く買ったほうがたくさん利用できて得なので、建物建設や列車を進めるための資金を圧迫しない程度には早く購入したいところです。現実的には、序盤は3牛1枚程度がやっとだと思います。この戦術は、金策の手数すら極力削減したいほど速さが求められるからです。

高速出荷態勢に入る頃には3牛を2枚にし、さらにお金に余裕があれば3牛や4牛をもう1枚追加すると安定します。目指すべきデッキの最終形は、「色違いの2牛3枚+購入した牛」の状態です。最低限3牛が2枚あれば、6証明書と合わせて手札5枚で育種価18となり、サンフランシスコへの出荷が可能です。

とにかく一番大事なのは出荷に必要なタイミングで購入した牛を使えるようになることなので、いつ必要になるのかについて考えてみます。一般的な、3回目の出荷後に10aを使い始める場合について考えます。この場合、最初の3回の出荷は「カンザス×2,1」かあるいは「カンザス,1,6」のようになり、育種価3以上の牛は特に必要になりません。なお、ここまでに手前の駅1ヶ所と合わせて「コイン,手札廃棄×2,証明書(4)」の4つのディスクを解放します。これらはすべて戦略上重要なものばかりです。

4回目と5回目の出荷で、いよいよ価値10と12の都市への出荷を目指して黒枠マスのディスクをはずしにかかります。ここではずすのは、「技師+職人」の戦術のときと同様に証明書と移動数です。手札枚数を増やすのは5コインかかる分ほぼ証明書の下位互換ですし、優先順位やその理由も以前に述べたのと同様です。

4回目の出荷で証明書のほうから解放できる場合は良いのですが、特に4人戦などで私有建物が乱立しているときは、手数効率を上げるために移動数からはずしたい場面もあるかと思います。そうすると、5回目の出荷で価値12の都市を目指す際にもまだ証明書の最大は4であり、手札4枚で育種価8に届かせる必要が出てきます。実質ここで、物理的に育種価3以上の牛が初めて必要になります。十分条件ではないにせよ、4回目の価値10の都市への出荷で先に移動数をはずして大丈夫かの判断は、次の出荷で3牛を引けそうかどうかにかかっていると言えます。

もし4回目の出荷で3牛を引けて価値12に到達できればそれはそれで良いので、少なくとも4回目か5回目の出荷のどちらかで3牛を引きたいということになります。そのためには概ね最初のデッキシャッフル前に3牛を1枚、次のデッキシャッフル前にもう1枚くらい入れられると安定だと思います。もちろん、3牛を引けたからといって他の手札が悪ければ目当ての育種価を得られるとは限りませんし、運悪く引けない場合もあるので、そうなったらおとなしく証明書から解放するか、それでも無理なら低価値の出荷を1回挟むなり、1手牛歩して手札を入れ替える(もしくは圧縮する)しかありません。

それはその後の出荷にも言える事です。なるべく効率的に進めて価値16の都市へ到達したら、ここで満を持して手札を5枚にします。(ゲーム終了が見えていて最後の出荷になる場合は、3点の付いている移動数最大のほうをはずす。)手札の育種価は4枚だと3322でギリギリであり、デッキ圧縮が進んでいる場合は問題ありませんが、毎ターン出荷の戦略時などそれが難しい場合は、4牛を1枚くらい購入していないと厳しいかもしれません。

毎ターン出荷の戦略は、その次のサンフランシスコをなんとか1回くらいの手札入れ替えで達成した時点でゲームが終了することを目論むものです。ここでゲームが終われば出荷を早めた分2ターンに1回出荷する戦略よりも有利ですが、それ以上長引くととても安定してサンフランシスコにディスクを置く力は残っていないため、共有建物Gでデッキ圧縮を進めながら出荷していたほうが有利になります。

ただそうそう何度もサンフランシスコへ出荷できるほどゲームが長引くことは少ない印象なので、出荷の計画を毎ターンにするのか2ターンに1回にするのかは、速度よりもリスクの問題が大きいように思います。概ね決まれば毎ターン出荷のほうが強いですが、決まることは少ない・・というところです。


③ デッキ圧縮

デッキ圧縮は、最低限の列車を進めた上で手札廃棄のディスクをはずしてからでないとできないため、そうゲーム開始直後から行なえるものではありません。一度に2枚廃棄できないと効率も悪いので、早くても2回の出荷を経過したあとになるでしょう。本来は最初の出荷時にはこの戦術で行くことが確定していない場合も多いため、無難にコインのディスクからはずし、戦術確定後の2回目の出荷と一番手前の駅で手札廃棄のディスクをはずす流れを作るのが現実的かと思います。

手前の駅を取るには、職人を雇うついでに技師を1人だけ雇ってCとGに通うのがスムーズですが、技師を雇わずに「Dに2回+CかGに1回」でも一応到達はでき、このほうが若干お金も節約できます。ただ自由度の低さとすぐに駅長タイルを取れないことを考えると、可能なら1人の技師は雇ったほうが無難だと思います。あとは労働市場の状況や、目先のお金が足りそうかどうかにもよります。

駅長タイルを取れる場合は、すぐに技師を駅長にしちゃってかまいません。災害タイルがボーナスになるものであればベストですが、それ以外のものでも一定の働きはしてくれます。実際、ここで技師が1人だけになってしまっても、この駅のスペースを利用すればGで列車を1歩進めて2歩戻すかたちの2枚廃棄を列車の位置を変えずに繰り返していくことができるので、デッキ圧縮の計画も概ね問題ありません。(※2)つまり、戦略上技師が減るデメリットがわずかで済むということです。

技師を雇わずにDで列車を進めていった場合も、駅長タイルを取りたければいったん駅に入るだけ入っておいて、職人を4人にしてから取れば10aの建設に支障を及ぼすことなく取れます。ただしこの場合、デッキ圧縮の開始が遅くなるのはデメリットです。

列車を進める際には他のプレイヤーの列車を飛び越えて進めると効率が良く、うまく利用すれば無理なく2番目の駅まで届く場合もあります。また、Cを踏んだときに列車を進ませる効果のある目的カード(自然に達成可能な条件のもの)を取れれば、必要な手数を減らしたりDで金策しながらの圧縮を挟むことも可能になるので有利です。

列車を1歩戻すことでちょうど駅に入れる場合は、手札廃棄のディスクが1つしかはずれていなくても圧縮を開始するのは手です。2回目の出荷時に1つディスクをはずし、この動きでもう1つのディスクをはずすとスムーズです。2ターンに1回出荷前提の計画の場合は、① でも述べた通りこの状態から高速出荷を始めても圧縮は間に合います。

毎ターン出荷を目指す場合はもう少し圧縮を進めてから出荷態勢に入りたいところですが、いずれにせよ手札の入れ替えが必要になったときには牛歩して圧縮せざるをえなくなるため、育種価が足りている限りはガンガン出荷しちゃっていいと思います。


ちなみに出荷の際に得られるお金は、一番手前の駅辺りに列車があるとすると1回につき7~9コイン程度です。これは通行料建物による妨害を受けると4aで災害タイルを獲得するのもギリギリの量であり、他の得点手段は望めません。ただし、10aと4aを建てているということは特に4人戦では通行料が入ってくる立場のわけで、元々持っていたお金と合わせて終盤に余ってきそうなら、5~6人目の職人雇いが魅力的な得点行動になります。必要職人数6の建物を建てられれば支払ったコインと差し引きで12点程度の行動になるので、災害タイルの獲得を1~2回諦めてでも狙う価値はあると思います。


これで職人特化戦術の流れの説明は一通り終了ですが、最後にもう一度言及しておくと、この戦術は速さが命です。元から他の戦術と比べると分が悪く、勝てるにしてもギリギリの勝負になることが予想されます。出荷を除いた構築に必要な手をまとめると、ざっと「Aに2回,Bに3回,Eに2~3回,列車を進めるのに3回+圧縮適宜」といったところですが、それ以外のDやFでの金策の手数なども極力最小限に留め、最速で出荷点を得られる状態に持っていくことが大事です。

また、カンザスへの出荷もなるべくなら1回に抑えて、マイナス点を減らしたいところです。この戦術は元々得点手段が少なく、最後に毎ターンサンフランシスコへ出荷できるような状態にならない限りは1手あたり6点を上回る行動にはそうそう有りつけないので、どこかに1手かけて6コインを得たとしてもほぼ同じです。実際、他のプレイヤーの建物の位置によってはDやFに止まらざるをえない場合もありますし、10a建設のための職人と最低限の牛程度の出費なら、カンザス出荷1回でも大方回ると思います。

 

ポイントまとめ

・職人特化戦術が可能なのは、10aと4aがあるときのみ。

・その上で、カウボーイにも技師にも特化するのが難しいときに選択肢になる。

・以下の条件を満たしているときには戦術採用の優先度が上がる。
 ・災害タイルがボーナスになる駅長タイルが一番手前にある。
 ・共有建物Gの位置が「B,C,E,F」のどれか。
 ・9aがない。
 ・2aがない。

・毎ターン出荷を目指す戦略と、2ターンに1回の出荷を前提に計画する戦略があり、どちらにするかによって10aと4aの最適な建設場所が変わる。

・毎ターン出荷は決まると強いが、潰されたり手札運に左右されるのでリスキー。通常は共有建物Gでのデッキ圧縮と出荷を交互に行なう計画をするのが無難。

・デッキ圧縮は2ターンに1回出荷の態勢に入ってから開始しても概ね間に合う。駅のスペースを利用し、列車を1歩進めて2歩戻すのを繰り返す。

・駅長タイルは可能なら一番手前のを取る。災害タイルがボーナスになるものならより積極的に取りにいく。

・労働者は列車を進めるための技師1人を除いては、雇うのは職人のみ。3回目の出荷後に職人を4人にし、10aを建設して高速出荷態勢に入る。最悪技師は雇わなくても、共有建物Dで列車を進めればこの戦術は可能。

・列車を進める効果のある目的カードが序盤にめくれていたら、無理なく達成できそうな条件のものなら直ちに共有建物Cで取りにいってよい。手数を減らせたり、デッキ圧縮を進めやすくなる。

・ディスク解放の手順は以下。カッコ内の数字は出荷する都市の価値。

コイン(0:カンザス)→ 手札廃棄(1)→ 手札廃棄(駅)→ 4証明書(6または8)→[ここで10a利用開始]→ 6証明書(10)→ 移動数(12)→ *(14)→ 手札枚数(16)→ 移動数最大(18:サンフランシスコ)

※ 駅の位置は状況によって前後する。
※ 6証明書と移動数は逆のほうが良い場合もある。
※ サンフランシスコまで間に合わない場合は16で移動数を最大にする。

・牛は、4~5回目の出荷に間に合うように3牛を2枚購入するのが原則。お金に余裕がある状況でさらに出荷を安定させたければ、3~4牛をもう1枚追加してもよい。

・終盤にお金が余りそうなら、5~6人目の職人雇いによる大量得点を狙う。

・とにかく速度が大事な戦術で、金策もなるべく効率的に無駄手を抑える。1手でも早く高速出荷態勢に入れるような構築を心がける。

 

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  ※1:技師を2人以上雇ってある程度列車を進めた上での10a+4aの速攻は、職人特化戦術と比べると出荷を加速し始めるタイミングはやや遅いですが、輸送費を軽減できる分お金は貯まりやすくなります。なのでそれらのお金を何かしらの手段で得点に換えることで、より高得点での決着を目指すかたちです。むろん、「技師+職人」の中で見ると一番速い戦術です。

  ※2:誰かに駅に居座られてしまうと計画は破綻しますが、一般に駅長タイルが取られたあとの一番手前の駅をアップグレードするメリットはあまりないので、スルーして列車を先に進めたほうが相手にとっても得策だと思います。怖いのはそもそも列車を進める予定のなかったカウボーイ特化戦術のプレイヤーが、仕方なく列車を進める流れになり一番手前の駅まで到達したようなときです。このときには嫌がらせも兼ねてまず入られてしまうことでしょう。そうなったら不利ですが、列車を後退させてでもできるところまで圧縮を進めるしかないと思います。