都道府県連合パズル・ゲーム研究室

パズルやゲームに関する研究結果をアップしていく予定です。

オーディンの祝祭:ソロツールのルールまとめ

オーディンの祝祭でソロツールを作るにあたって、ルール解釈に迷う場面が多々出てきました。基本、詳細な調査はせずに勝手に解釈して進めてしまいましたが、その微妙な部分を一通りこの記事にまとめておきます。

あくまでツール内で採用したルールについて記したものですので、これが正しいというわけではありません。もし公式に間違っている部分などありましたら、情報源とともに教えていただけるとありがたいです。


(1)任意アクションを実行できるタイミング

・ルールブック P.12~14 の通り、武装のみアクション中は不可で、それ以外(タイル配置,船の購入,職業)はいつでも可。

・処理の流れに「間」があれば行なえ、なければ行なえないという考え方を基本とする。

・「Aの ‘直後に’ Bを実行する」という指示がある場合も、AとBの間には「間」が存在すると考え、割り込み可能とする。(※1

・「Aをしたとき ‘即座に’ Bを実行する」というように書かれている場合は、「間」は存在しないと考え割り込みを許さない。(※2


(2)処理の順序

・順序の指定がない場合の複数の処理は、任意の順序で実行できるものとする。ただし、アクションスペースの効果に関しては、特に何も書かれていなければ左から右、上から下の順に解決する。(※3

・通常、アクションの処理の順序は「アクションの前 → アクション中 → アクションのあと」だが、海外貿易だけは1銀払うことが前提になっているため特殊である。すなわち、「海外貿易の前」は、「アクションの前」よりもあとになる。(※4

・交易や海外貿易によって複数の物品タイルを交換する場合、それらはすべて同時に行なわれるものとする。(※5


(3)職業関連全般

・交易や海外貿易による交換によって得た物品タイルも ‘獲得’ 扱いとし、獲得条件の職業の効果は発動する。職業の効果によって物品タイルを交換した場合も同様。

・職業をプレイする効果はすべてアクション扱いとし、「1アクションで~たびに」の条件に含まれる。(※6

・「1アクションで~たびに」を発動条件とする「154:木こり,155:桶屋,156:石切工,175:肝油絞り人」は、アクションスペースでのアクションだけでなく職業によって引き起こされるアクションでも発動する。(※7

・「9:鉱石船頭」の効果で得た鉱石駒を武装に使うのは不可。(船の上は「配置エリア」ではないとの解釈。)

・「20:建築請負人,21:蒐集家」の効果によるボーナスフェイズにおいても、「161:捕鯨の助手,162:亜麻農家,177:小間使い」は発動する。

・「41:のろま」のカードに描かれているボーナスシンボルは単にボーナスフェイズを表すものと考え、そのシンボルの物品タイルを得ることが発動条件だとは考えない。(別表冊子にも何も書かれていない。)

・「49:耕作者」の効果は収穫フェイズと同じ扱いなので、「169:種まき人,171:亜麻仁パン職人」は発動する。一方、「183:穀物配達人」では単に収穫時と同じ物品タイルを得られるだけなので発動しない。(別表冊子の説明文通り。)

・複数の商船を持っている場合、「88:事務官」の効果で交換した物品タイルを続けて交換するのは可。(別表冊子に詳しい説明はないが、カードの記載に従う。)

・「90:剣士,132:狂戦士」による出目の修正効果は、サイコロ振り直しの際にも持続すると考える。すなわち、襲撃や略奪の開始時にドラゴン船から鉱石を1個取り除いたら、振り直し前にさらに取り除く必要はない。

・「132:狂戦士」で取り除く鉱石は、略奪に使用するドラゴン船上にあるものに限る。(そのほうが自然との解釈。)

・「60:監査役,76:帰郷者」によって、前のラウンドの(別の色の)ヴァイキング駒を回収するのは不可とする。(これを許すとややこしい事になるため。)

・アクションフェイズよりもあとのフェイズで(導師の効果で)監査役や帰郷者をプレイして駒を回収した場合、その駒はもはやそのラウンド中に使うことはできないが、次のラウンドでも駒の色が異なるため使えない。

・「76:帰郷者」の効果は「1個ずつ回収」なので、4列目の複数のアクションスペースにヴァイキング駒が置かれていた場合は、「151:シングの代弁人」は複数回発動する。

・「77:模倣者」は、アクションフェイズでなくても使える。また、前のラウンドの(別の色の)ヴァイキング駒が置かれているスペースも使える。

・「8:職人頭,161:捕鯨の助手,162:亜麻農家」の発動条件には、前のラウンドの(別の色の)ヴァイキング駒も数える。

・「91:遅参者」の効果発動時には、前のラウンドの(別の色の)ヴァイキング駒が隣接しているアクションスペースも使える。

・「166:武器係」は2列目でなくても、アクションスペースにヴァイキング駒を2個置いたときならいつでも(各ラウンド2回目以降なら)発動する。(※8

 

※1:主に問題になるのは、アクションフェイズとゲーム終了時。

前者についてはルールブック P.9 には「ヴァイキング駒を置いた ‘直後に’ そのアクションスペースを使わなければなりません。」とあるが、一方で P.12 の任意アクションの説明に「通常はメインアクション中でさえ」とあるので、アクションスペースの効果を実行する前に任意アクションを挟むことも可能だと考えた。もし不可であれば、武装の項目のように何かしらの捕捉があるべきだと思う。

例.3列目の捕鯨アクションの事前効果で引いた「140:鯨料理人」を導師の効果でプレイしてから捕鯨を実行して成功させ、追加の油タイルを得ることは可能。

後者についてはルールブック P.23 に「最終ラウンドの饗宴フェイズが終わった ‘直後’、ゲームは終了します。」とある。ここの解釈も統一し、ツールでは得点計算直前に任意アクションを行なえるタイミングを設けている。もしこれが不可なら、例えば「159:祭事の狩人」の効果で最終ラウンドの饗宴後に狩猟アクションを実行して得た物品タイルをボードに置けなくなってしまうので、つまらないとも思った。

※2:主に即時効果のある職業カードをプレイしてから、その効果を実行するまでの間のこと。ただし、「~フェイズを実行する」のような即時効果自体に「間」がある場合は割り込みは許される。

※3:ルールブック P.15 の捕鯨船を商船に交換するアクションの説明が、移住よりも前に行なわなければならないと捉えられる記述になっているため、このような解釈に至った。

※4:例えば、「166:武器係」の武器カードを引く効果は、「149:司祭」の油タイルを得る効果よりも前に発生する。

※5:もし同時ではなく順番に1つずつ交換していくのであれば、交換を終えたばかりの物品タイルをさらに交換することができても不思議ではないだろうとの考えによる。‘同時’ と解釈することで、例えば「150:肉買い付け人」の効果も亜麻タイルか穀物タイルを2枚交易すれば発動する。

※6:別表冊子では「52:導師,99:教師」の効果の説明にアクションとの記載はないが、「176:礼節の教師」の発動条件は「1枚以上の職業をプレイするアクションを実行するたびに」という書かれ方をしている。一方、導師や教師のカードも含め職業プレイを表す図柄はどれもアクションスペースのものと同じなので、全部アクションとして統一した解釈をするのが最もややこしくないと考えた。(すなわち、礼節の教師の効果は導師や教師で職業をプレイしたときにも発動する。)

※7:本来は「アクションスペースでのアクション」とでも書いてあれば一番スッキリするのだが、そのような記述がどこにもないため、職業によって引き起こされる(アクションスペースと同様の効果を持つ)アクションも発動条件に含めるのが妥当だと考えた。この解釈だと、アクションフェイズ中の1回の行動で2回以上発動する場合も出てくる。

別表冊子の説明でも「154:木こり,155:桶屋,156:石切工」にはアクションフェイズ中の指定があり、「175:肝油絞り人」にだけそれがないのが悩ましいところ。もしかすると、前者の3つはアクションスペースでのアクションに対してのみ発動させる予定だったのかもしれない。いずれにしても、カードに何の記載もない以上これは無視し、例えば導師の効果でアクションフェイズ以外にプレイした職業によって引き起こされたアクションに関しても発動条件に含めるものとする。

そもそも、別表冊子 P.2 の職業カード一覧の冒頭には「全般的なルールとして、カードの記述がルールと矛盾する場合、カードの記述が優先されます。」とあるので、カードから捉えられる情報を優先することにしている次第。

※8:例えば、「106:放火魔」の効果で恐喝アクションに2個のヴァイキング駒を置いたときなど。別表冊子の「166:武器係」の説明には「2列目」との指定があるが、カードには何も書かれていないため無視した。