都道府県連合パズル・ゲーム研究室

パズルやゲームに関する研究結果をアップしていく予定です。

カヴェルナソロ:入門者用の考察

解答へのリンク  ⇒  カヴェルナソロ入門者用【164点】(資材累積6以上で除外)


本稿では、入門者用に特有の事柄に絞って考察します。

入門者用もプレイした限りは最適化パズルとしての醍醐味は十分で、部屋タイルが限定されてもまったくスケールに陰りのない印象でした。カヴェルナ自体の奥の深さがそうさせるのでしょう。^^部屋に関する検討材料は減りますが、それ以外の部分で新たにいろいろ考えるべき事が出てきます。


まず基本戦略としては、「事務室,宿泊室,カップルリビング」といった部屋を使えないことから、完全版用の200点を超える諸結果で挙げたような、自宅作業の連打から早期増員を目指すルートで得点を伸ばすのは難しいと思われます。なので、完全版用だと初回の結果のように、増員よりも戦力アップや種まきを優先していく方針になります。

序盤の手順に見落としがあるとまだ大きく伸びる可能性もありますが、ラウンド2で野菜を取ってラウンド3でまくことを考えるとラウンド1での武装は必須なので、初めから鉱石2に直行するのが安泰なように思います。後々2マス柵や木2石2のリビング、広間など高レベルの探索ができるようになるタイミングが得点に直結するのもありますし。


増員があまり魅力的でない主な理由は、事務室を使えないと人を増やしても弱いアクションしか残らないからです。具体的には「冒険」や最終ラウンドの「ルビー産出」などの、仮想2探索(※1)のアクションになってきます。(鉱石交換や3金アクションはさらに下位互換※2)これはかなり弱く、無理してまで早く増員しないほうがよいレベルです。

実際は各局面できちんと損得計算をする必要がありますが、例えば「今すぐ子供がほしい」のアクションで急いで増員するよりも、木2石2のリビングで資材を軽減した上で「家族の生活」で種をまきながら増員したほうが得点が伸びるケースのほうが多いと思われます。仮想3探索のアクションが1つでも残っていればまた違ってくるのですが、この2と3の差は非常に大きいです。(※3)ちなみに、「木材切り出し」による探索を1回減らして「鍛冶工」にし、増員を早めることで増えた手で普通に木材を取ることにした場合も、差し引きで増える分は2探索相当になります。

余談ですが、4人のまま突っ走っても160点までは行けます。仮に高得点のボーナスを得られる部屋がもう1つあったとしたら、冗談ではなく4人のほうが得点が伸びたことでしょう。


ボーナス点系の部屋については、談話ルームと掃除部屋が使えなくなって空いた広間に石材倉庫を入れます。武器倉庫や搾乳ルームを使うルートも試しましたが、出力不足は否めずこれ以外にないかな・・と。武器倉庫は、やはり冒険が2探索しかないのがネックですね。(^^;パズルとしては、もう少し探索が強いとここは面白くなりそうなのですが。

石材倉庫を使うことで石を温存する意味が生まれるので、石材採掘所は木材が足りている限りは家具製作所よりも先に作りたいところです。結果的に足りなかったため、家具製作所のほうを先に作ることになりましたが。ここの順番は、石材1による1点と木材1のどちらが大事かによって常に変動する可能性のある部分です。


あと面白かったのは、草原と畑の枚数を決めるところです。最終的に6枚ずつになりましたがこれは自明ではなく、さまざまな得点要素を考えて何がベストかを検討する必要があります。大まかには2回以上まけるようだと畑のほうが強くなり、1回以下になるようなら草原に柵を作って家畜を飼ったほうが強くなると思われます。ここは事務室が使えないことで新たに生まれたパズルですね。^^「何を諦めるか」を考えるのは、入門者用のテーマかもしれません。


最終的に盤面は完全に埋まるので、あとは主に数量制限のない種点と貯蔵部屋ボーナスの勝負になります。つまり、ルビーをなるべく多く種に回したいわけですが、今回はアクションスペースの保護にも多くのルビーを必要とするため、ここを節約する立ち回りも重要になります。資材累積6以上で除外のルールで序盤から武装するルートを取ると、後々資材を取るのに忙しくなるのは必然なので、これは仕方のないところです。

溜まった鉱石を取る手数はもちろんありませんし、驚いたのは「木材集め」を一切無視したほうが得点が伸びたことです。(1.5点増えました。)詳細は割愛しますが、ラウンド7に広間のためのルビー2を確保できるメリットが、木材が減るデメリットを上回ります。ここまで来ると、やはり資材累積は7まで許したほうがバランスが良いのでは・・と、思えてしまいますね。(^^;私の解答に見落としがなければの話ですが。(参考:資材累積7以上で除外の場合の解答


最終盤面:164点

カヴェルナソロ入門者用【164点】

 

※1:仮想探索の定義については、カヴェルナソロ解説6を参照。

※2:「鉱石交換」は鉱石を取る手と合わせて2手6点なので、仮想1探索が最低2点(2金)であると考えると、飯が足りていれば1手あたり仮想1.5探索の価値しかない。3金アクションについても同様。

※3:ソロ環境において、積極的に取り得る仮想2探索のアクションは「自宅作業」くらいで、「洞窟工事,供給,焼き畑,鍛冶工」などよく行なうアクションはすべて仮想3探索以上。